株式会社 風土のスタッフブログです。
風土スタッフの日々や、野菜に関する記事を記録していきます。
11月26日、肥料メーカーの日東エフシー株式会社から、技術員の内藤氏がお見えになり、
風土のかぼちゃ畑を見ていただきました。
そこで幾つか課題が浮かび上がってきました。
今年のかぼちゃの抑制栽培は小玉傾向にあり、5玉や6玉が非常に少なくなってしまっています。
これでは生産者の収入が下がりますし、なんといってもおいしいかぼちゃを作るコンセプトから
外れてしまいますので、原因と対策を考えていかないといけません。
そもそも、栗かぼちゃの中でも風土の主力品種である「ダークホース」は新しい品種で、
未だ南九州地方での作型は完成していません。
そしてこの「ダークホース」は、ちょっと変わってて、癖の強い品種です。
促成栽培や普通栽培だと、良い環境で育てられるため、あまり考慮しなくても良いのですが、
この時期に収穫する抑制栽培はどんどん環境が悪化して(気温・日照時間)
非常に頭を使いますし、天候にも左右されてしまいます。
以下、分かる人にしかわからない内容ですが、備忘録を残しておきます。
・株間40cmは適切か
肥料切れ、通気性の悪化から、さらに広げる必要があるのではないか
広げた際の収量と生産コストのシミュレーションを行う
・播種時期
> 高温期と霜との狭間で帳尻を合わせる
南九州は温暖とはいえ、どうしても11月20日頃に早霜が降りてしまうため、
早霜から逆算して8月20日に播種を終える必要がある
ただし、9月の下旬まで最高気温が30度を超えるため、高温による開花不良、着果不良が懸念される
・肥料の見直し
> 精度
10aあたり肥料○○kgではなく、1株につき窒素○kgというくらいまで落とし込むべき
前作の野菜の種類やその出来から、量を微調整する
> 元肥量
今年よりも1株あたりの肥料は増やさなくてはいけないと思われるが、窒素過多による開花不良、
着果不良が懸念される
追肥が必須になるが、追肥量とのバランスを体系化する
・追肥の見直し
> 追肥の判断基準
定植からの日数、本葉の枚数や大きさ、葉色を見ながら回数と量を決める基準を明確にしておく
> 雨が降らないというリスク
追肥をしても雨が降らなければ効果が無い
追肥を効かせたい期間は約1週間くらいなので、その間に雨が降らないリスクを考慮しておく
具体的には、元肥にやや緩行性の肥料を使っておくことや、液肥を利用すること
圃場により畑潅があればスプリンクラーが使用できるが、ほとんどの圃場に畑潅が無いため
南九州地方の作型とはなり得ない
・着果節位
> 16節目あたりというのはベストなのか
かぼちゃが栄養成長から生殖成長に傾く時の葉数が、着果節位を決めるポイントとなる
10節目あたりに着果させると、葉数が足りずに肥大が進まない
16節を超えると、かぼちゃの株そのものが老化し、完熟するまで葉が持たない
老化により葉が枯死してかぼちゃが充実しないことの方が、おいしいかぼちゃを
作る上で致命的であり、株が健全なうちに収穫を迎えるのであれば10節目あたりに
着果させる方が品質は向上するように思われる
ただし、肥大に必要な葉数が確保できていないため、株間の見直しと仕立て方を
再考する必要がある
・病害虫
> うどんこ病
高温乾燥期に多発する
今年のように定期的に小雨が降るような環境であれば、爆発的には広がらないが、
晴天が続くと広がり続けるため、防除を行う必要がある
うどんこ病の防除をしない場合は光合成量に直接影響するため、かぼちゃの品質が下がり、
また葉が枯死することで株そのものが寿命を迎えてしまい、完熟に追い込めない
> ウリハムシの幼虫
特に促成栽培から引き続き連作した圃場で多発する
孵化した幼虫は、葉ではなく軸を食害し、まれにかぼちゃもかじってしまう
連作圃場に関しては発生を確認後、防除の必要がある
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1975年10月6日、東京都生まれ高知県育ち。普通科高校~大学法学部からIT関連のセールスを経て2008年10月1日に農業生産法人である株式会社風土を設立。